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十代という生き物



十代という生き物が都市にやってくる
吹き出す汗は不安の水分

知らない場所を知るための歩き方
期待の風がその汗を乾かす

十代という生き物が笑う
十代という生き物が泣きわめく
十代という生き物が挫折する
十代という生き物が定食を食らう


ハムスターとマシュマロの柔らかさ
言葉の先っぽがトガっている

シューズはいつも泥だらけ
知らない水に利き手を突っ込んだ

十代という生き物が走る
十代という生き物が軋む
十代という生き物が膝を抱える
十代という生き物がドアを開ける



お前の足跡はまるでハンコだな
アスファルトの上にペタペタとくっつく

誰かの足跡の上に重なった
最新型のおまえの足跡が光る

十代という生き物が破裂する
十代という生き物が讃美歌を歌う
十代という生き物が恋をする
十代という生き物が空をつかむ

十代という生き物がざらつく
十代という生き物がササクレだつ
十代という生き物が8月を触る
十代という生き物が十代だけの夏に飛び込む

十代だけの夏に溶ける

 

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