た な び い て る −サヨナラ20世紀改訂版−
ベトナムの壊れた船に乗ってやって来た彼は、 3才の誕生日にNYにたどり着いた。
肺の手術を受ける少女はベットのままで、アメリカに旅立った。
この世界の地表の全てを、緑にしたいと願っている学者は、
いつもポッケの中に星の種を、隠し持っているのさ。
インディオの酋長が言った。インディオが滅びる時、 人類も滅びるだろう。
インディオが滅びる時、人類も滅びるだろう。
風が吹いてる。たなびいてる。風が吹いてる。たなびいてる。
あの溶けた原発を埋めたセメントの墓場は、 あと数年でもろくも崩れ去る。
その内部ではグロテスクなオブジェ達が、 象の鼻のダンスを踊っているのさ。
その原発1台分の光り、秋葉原のネオン街。
少年は世界中のコンセントを引きちぎり、 脳ミソにジャックインするのさ。
インディオの酋長が言った。インディオが滅びる時、 人類も滅びるだろう。
インディオが滅びる時、人類も滅びるだろう。
風が吹いてる。たなびいてる。風が吹いてる。たなびいてる。
深夜の新生児室のブザーが鳴る。未熟児の息が薄くなる。
未熟児は事切れる。 それと同時刻に新しい生命がこの世界で生まれる。
その生命は頬に風を受ける。その風は向かい風となる。
追い風は愛情の風となり少年を、より走らせるのさ。
インディオの酋長が言った。インディオが滅びる時、 人類も滅びるだろう。
インディオが滅びる時、人類も滅びるだろう。
風が吹いてる。たなびいてる。風が吹いてる。たなびいてる。
汚れた学者、53才と6ヶ月。走る少年は17才。 脳ミソにジャックインする17才。
新生児室の生命。生後36時間だけの生命。柔らかい生命。 優しい生命。
風が吹いてる。たなびいてる。風が吹いてる。たなびいてる。
風が吹いてる。たなびいてる。風が吹いてる。たなびいてる。
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